精密板金とは

What is precision sheet metal

精密板金に求められる厳しい加工精度と技術力

電子機器、医療機器、通信機器などに欠かせない部品を加工する際、金属をより高精度に加工するために必要な加工方法が「精密板金」「超精密板金」です。
板金加工と同じように、金属を設計図通りの形に仕上げるため、平板を切断し、穴を空け、折り曲げ、溶接し、加工していきます。各工程で厳しい加工精度や寸法基準が求められ、確かな経験と技量がなくては実現できません。

精密板金では例えば、鉄、ステンレス、アルミ、銅・真鍮などの材料によっても異なりますが、板厚わずか0.5mm~6.0mmの薄さの加工を行うこともあります。板厚を薄くすれば、軽量化や部品を組み込む際の省スペース化をはじめ、材料費を抑えるコスト圧縮を図ることができますが、一方で強度や安全性の低下を招く恐れがあります。
また、複雑な形状に曲げ加工を施す場合には、無理な曲げ加工による不具合の発生や、工程途中での部品と金型との干渉についても十分配慮した設計と加工が必要です。
このように精密板金は、さまざまな難しい条件を経験と技術力によってクリアすることで初めて実現します。

超精密板金加工のケービックの工場内

精密板金加工と板金加工の違い

精密板金加工は、板金加工のジャンルのひとつです。
板金加工には、自動車のボディの凹みを直す自動者板金、住宅・店舗の内外装を手がける建築板金、家電製品のパーツや電子機器の筐体を専用金型で量産するプレス板金があり、社会生活の多くの製品に使われている加工技術です。
金属の板を加工して作り上げるという意味では精密板金加工も板金加工も同じですが、次のような違いがあります。

  • 板金加工
    一般的に板金加工はそれほど精度を必要としない部品や製品をつくる板金のことを指します。
  • 精密板金加工
    板金加工と比べて高い精度が求められる板金のことを指します。

精密板金は板金加工の中でも、電子機器、医療機器、通信機器、半導体パーツなどの精密機器の中に組み込まれる精密部品をつくる加工技術です。そのため、高い精度や厳しい寸法基準が要求されます。

超精密板金加工のケービックの作業風景

精密板金の作業工程

  1. 設計・ご提案
    精密板金加工を必要とする部品や製品の設計図がない場合でもご相談ください。イメージはあるが図面にしづらい、既存部品の設計改善を図りたい、コスト削減が可能か見直したいなど、ニーズに適したご提案と設計を行います。
  2. CAD/CAMデータ作成
    ご依頼いただいた部品や製品の設計図・図面データを専用のCAD/CAMプログラムへ取り込んで、精密板金加工に必要なデータを作成します。
  3. 図面展開
    板金専用の展開プログラムを用いて展開図を作成します。どんなに形状が複雑な部品でも1枚の平板から加工し始めるため、効率的で正しい展開図の作成が重要です。
  4. 工程確認・材料準備
    最適な作業工程を踏むために、これから進める工程を検討・最終確認し、設備を選定、材料を準備します。品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)というQCDを常に意識して最適化を図ります。
  5. 切断・抜き加工
    材料を展開図に適した大きさに切断して切り出します。また、図面に指示された所定の位置を打ち抜いて穴を空けます。打ち抜く形は、丸や細長い楕円などさまざまです。材料の特性、季節による気温差によっても条件が異なるため、熟練の経験と技術が求められます。切断・抜き加工はブランク加工とも呼ばれます。
  6. 成形(バリ取り・ネジ切りなど)
    切断・抜き加工で生じたバリを取ったり、必要に応じてネジ切りをします。バリ取りは、部品を取り扱う時の安全のためはもちろん、表面のキズなど仕上がりの美しさにも影響するため丁寧に施します。
  7. 曲げ加工
    成形した材料が図面通りになるように曲げる曲げ工程は、精密板金で最も難しいと言われる工程です。
    金属は曲げることで伸び縮みする(内側は縮んで、外側は伸びる)上、材料の特性が異なることを理解して加工する必要があります。精密で正確な角度へ曲げるためには熟練の経験と技量が不可欠です。
  8. 溶接加工
    各工程でつくられた金属同士を熱で溶かして接合部を溶接します。部品の仕様や形状などに合わせて最適な溶接方法を選択し、精度が高く、歪みや溶接焼けを最小限に抑えます。
    ケービックには溶接技能資格を持った技術者が在籍しています。
  9. 仕上げ/表面処理/塗装
    溶接加工でできた接合部の盛り上がりを平らにしたり、工程途中でできた表面のキズなどをきれいにします。また、美観やサビ防止、表面保護の目的で製品に塗装を施す場合もあります。ケービックの塗装加工は協力会社へ依頼しています。
  10. 組み立て・検査
    組み立てた製品が図面通りの部品かどうか、高精度・高品質・安全性を満たしているかどうか、検査チームが最終検査を行います。
  11. 梱包・出荷
    出来上がった製品を梱包・出荷します。ケービックでは、お客様のお手元へ製品が届くまでの輸送中のことも考え、丁寧な梱包を心がけています。
超精密板金加工のケービックの工場内の工具

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精密板金加工の無料お見積り依頼、工場見学のご相談、採用情報についてのお問い合わせを承っています。

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