リベット加工(接合・組立)

Technology

リベット加工(接合・組立)とは

リベット加工(接合・組立)は、精密板金の部品を組み立てる際、溶接の代わりとして使われる加工技術です。熱によって製品にどうしても歪みが生じてしまう溶接と比べると、歪みの発生がないため、品質が向上します。板材の材質や塗装済みなどの理由で溶接ができないときにも活用できます。
また、リベットを留める作業だけで接合できるため、溶接と比べて作業時間を少なくすることでコスト削減にもつながります。

リベットには材質や形状がいくつかありますが、大きく分けて丸リベットと皿リベットの2種類があります。頭の部分が丸い形状の丸リベットのほうが作業効率が良い反面、結合部分が盛り上がります。一方の皿リベットは頭の部分が平らになっているため、接合箇所を平らにしたい際に活用されます。

超精密板金のケービックの作業風景

リベット加工(接合・組立)のメリット

精密板金加工におけるリベット加工をまとめると、次のようなメリットがあります。

ピンポイントの加熱により部材への影響が最小限

リベット加工では、穴をあけてリベットを差し込んだ接合部をピンポイントで加熱・加圧して部材同士を接合します。部材の接合部に溶融池を作って接合させるTIG溶接などのアーク溶接と違い、熱による歪みや焼け跡が発生しません。そのため、品質への影響を最小限に抑えることができます。
また、溶接できない組み合わせの板材同士や、熱に弱い板材の接合にも向いています。

作業時間が短くコストダウンにつながる

リベット加工は、「部材にあけた穴にリベットを差し込む」、「リベットの頭をつぶす」という少ないステップで部材を接合できるため、溶接と比べて短時間で作業を行えます。技術面でも、溶接と比べると高度な技術や経験を必要としません。そのため、コストを安く抑えることが可能です。

接合部が緩むことがなく安全性が高い

工業製品や家庭用品などでよく用いられるボルトによる接合と比べて、リベット加工による接合は、接合部が緩むことがありません。リベットの頭をつぶして圧着するため、いったん固定すると簡単には外れにくく、安全性が高まります。

リベット接合と溶接の違い

リベット接合のメリットでも一部、触れましたが、溶接による接合方法との違いをまとめると、次のような特徴があります。

製品の仕上がりの違い

リベットには、皿リベットや丸リベットなどの種類がありますが、いずれを使った場合でも、接合部にはリベットの頭をつぶした突起状の盛り上がりが少なからず残ってしまいます。たくさんの箇所でリベット加工を行うと、突起が複数できてしまい、製品によっては美観を損なうことになります。また、使用するリベットの重さのぶんだけ、製品の重量が増えます。
溶接の場合は、作業者の適切な技術と経験があれば、接合部の外観を美しく仕上げることができ、リベット加工では対応できない複雑な部位の接合も可能です。

接合できる場所や形状の違い

リベット接合は、部材にリベットを差し込む穴をあけられるだけのスペースが必要となるほか、接合する場所が板状である必要があります。丸みがあるパイプのような形状、材料の端や角などの接合はできません。
一方の溶接は、リベット接合と比べて接合部位による制限が少なく、複雑な形状の部材の接合にも向いています。

接合強度面での違い

強度面では、ボルト接合と比べるとリベット接合は強度に優れていますが、金属の母材を溶融して接合するTIG溶接などのアーク溶接と比べると、強度は弱くなります。
ただし、スポット溶接と比較した場合は、部材の形状や要求強度によっては、リベット接合のほうが強度が増す場合もあります。板材、形状、コストなどに応じて最適な接合方法を選ぶことが大切です。

リベット加工(接合・組立)が適しているケース

精密板金加工において、リベット加工が適しているケースには次ような場合があります。

コストダウン

これまで溶接加工していた工程をリベット加工に置き換えることで、作業時間が短縮されてコストダウンを図ることができる場合があります。材料となるリベット代が新たに発生してコスト増とはなりますが、概ね、作業時間の短縮によるコストダウンのほうが大きくなります。

熱に弱い材料

溶接加工する組み合わせとして向いていない板材同士の接合、熱による影響を受けやすい板材の接合をする場合は、リベット加工が適しています。歪みや焼け跡が発生しないため、品質が向上します。

リベット加工の方法

リベット加工の方法は、接合する部品同士を重ね合わせて接合箇所に穴をあけ、位置を合わせた穴にリベットを差し込み、専用工具でリベットの頭をつぶすことで固定します。
基本的なリベット加工は、次ような作業手順になります。

  1. 最適なリベットを選ぶ
  2. 組み立てる部品の接合箇所に穴をあける
  3. 部品の穴の位置を合わせ、リベットを挿入する
  4. リベット専用工具を使い、リベットを板材に打ち込む

ケービックの加工技術の特徴

ケービックでは、お客様のご要望に応じてコストダウンと品質を考えたリベット加工による組み立てを行います。ケービックのリベット加工には次のような特徴があります。

  • リベット加工と溶接加工を使い分け、コストダウンを図るご提案が可能
  • 溶接加工の際に発生する熱による歪みを防ぐ
  • リベット面を意匠的に見えづらくする対応も可能
  • 精度の高い製品を生産

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