スプリングバック
よみがな:すぷりんぐばっく
用語解説
板材を曲げ加工などで曲げる時には、材料の内側には圧縮する力(圧縮応力)が、反対の外側には引っ張る力(引張応力)が加わります。曲げ加工後に金具や工具が離れると、圧力が取り除かれて、元に戻ろうとする力が働きます。これにより、曲げた角度(曲げたい角度)よりも、実際の仕上がりの角度がゆるくなってしまいます。
このように、板材を曲げた時に跳ね返って元に戻ろうとする現象のことをスプリングバックと言います。スプリングバックは、板厚に対して曲げる角度が鋭角であるほど大きく、また、材料が薄いほど強くなります。
スプリングバックとなる要因には、材質、板厚、加圧力、曲げ半径などがあり、非常に複雑で制御が難しい現象です。そのため、精度が求められる精密板金加工では、「R曲げ加工を複数回に分けて行う」、「正確な精度が出せるコイニング加工で仕上げる」といった制御方法で対応して加工します。